骨盤底リハビリ外来のご案内
骨盤の下部には、ハンモックのような形状の「骨盤底筋」と呼ばれる筋肉があります。この筋肉には子宮や膀胱、腸などの骨盤内の臓器を支える役割と、尿道や肛門を絞めたり緩めたりすることで排泄をコントロールする役割があります。妊娠や出産、加齢によりこの「骨盤底筋」が傷ついたり、筋力が低下すると「尿失禁」や「骨盤臓器脱」といった症状が起こることがあります。
これら症状は、軽度であれば骨盤底筋の筋力トレーニングを行い、骨盤底筋の機能を高めることで、症状の改善が期待できます。当院の骨盤底リハビリ外来では、「尿失禁」や「骨盤臓器脱」にお悩みの方を対象に、骨盤底筋トレーニングの方法、日常生活上の注意点などを指導しています。正しい方法を覚え、トレーニングを継続することで症状の改善を目指します。
尿失禁とは
尿失禁とは自分の意志とは関係なく尿がもれてしまうこと。加えて、これにより社会的・衛生的に支障を生ずるものと定義づけられています。
骨盤臓器脱とは
骨盤臓器脱とは、膣前壁、膣後壁、膣円蓋(子宮頸部/子宮)または膣子宮摘出後の膣断端の下垂と定義づけられています。具体的には、膀胱瘤、直腸瘤、子宮脱、直腸瘤、膣断端脱などで、女性特有の疾患です。
骨盤底筋は表面から見えない体の深部に位置するため、収縮の感覚を掴むことが難しい筋肉です。当院では、トレーニング効果を高めるため、理学療法士の指導のもと、超音波診断装置を使用し、骨盤底筋の筋収縮をご自身の目で確認していただきながら筋力トレーニングを実施しています。
外来診療日
まずは当院泌尿器科の受診をお願いします。
毎週月、火、木曜午前、金曜午後、第1.3.5水曜午後、第1.3土曜午前
その後、骨盤底筋トレーニングが必要と診断された場合、リハビリが開始となります。
(混みあっている場合は、別日にご予約いただくことになることもございます。)
料金について
初診(約1時間) 6,000円
再診(約40分) 4,000円
健康保険の適用にはなりません。以下の金額の自費診療となります。
個人差はありますが、3ヶ月以降にトレーニング効果を実感される方が多くありますので、根気よく続けていく事が大切です。月1回の通院でトレーニングの実施状況や症状の変化を確認します。5、6回の通院で終了となることを目標としています。
治療内容
- 質問票への記入
- 腹圧性尿失禁、切迫性尿失禁に関する説明
- 姿勢指導
- 日常生活上の注意点の指導
- 骨盤底筋トレーニング
患者様の声
Y様(60歳代 女性)
はじめは収縮が出来ているのか掴めなかったが、超音波を使うことで収縮の方法が分かってきました。低下した筋力を回復でき、本当に嬉しいです。
スタッフの方の熱心なリハビリで楽しく治療が受けられました。今後もずっと続けてやっていきたいと思っています。
尿失禁、骨盤臓器脱といった症状に悩まされている方は少なくありませんが、「恥ずかしい」や「あきらめ」の気持ちがあり、医師の診察や治療を受けるという方は限られています。実際に治療を受けた方からは、思い切って始めてみて良かったという声も聞かれています。あきらめているその症状を改善できるかもしれません。まずはご相談下さい。
竹内 愛(理学療法士)
経歴
- 平成29年 Pfilatesインストラクター認定資格取得